読書

実存の問題をシステムや他者が解決することはできない

たまたま最近読んだ本の『経済成長って何で必要なんだろう』(SYNODOS READINGS)の中で、飯田泰之氏が「貧困は政策によって救える。ただし、個人の実存の問題に対して国家はどうすることもできない」的なことを言っていて、まあ言われてみれば当たり前のこと…

教養はコミュニケーションの前提となるもの

久々に行った図書館で、浅羽通明の「教養論ノート」(幻冬社)という本を何となく手に取って、そのまま借りた。まだほんの最初の部分しか読んでいないがなかなか面白そうだ。 以下、それを読みながら「教養」というものについて考えてみたことのメモ(一部は…

「決断」とは何かを諦めること

新潮文庫の福田恆存「人間・この劇的なるもの」を読んでいたら、こんな文章に目がとまった。 p139 行動というものは、つねに判断の停止と批判の中絶とによって、はじめて可能になる。私たちはよく「現実を認識しなければならない」とか「現実を凝視せよ」と…

丸山眞男『現代政治の思想と行動』 未来社

政権交代を機に、丸山眞男なんかを久々に読んでみた。 民主主義(に限らないが)にとって必要なものは、ものごとをある時点で決断すること。そして何かを決断するということは、ある可能性を断念することに他ならない。 p449 …われわれは一つ一つの社会的な…